ニュースレター 第52号 (2008年6月発行)
「化学物質政策基本法」(仮称)ロビー活動現場レポート

弁護士 西村 啓聡

 去る5月28日と29日、国民会議は、立川涼代表、神川美智子副代表、中下裕子事務局長、植田武智事務局、菊池美穂事務局次長、西村啓聡弁護士の6名で、化学物質政策基本法のロビー活動のため、衆参国会議員及び経済産業省、内閣府、環境省を訪問しました。
 1日目の最初は、参議院議員会館において、民主党ネクストキャビネット環境大臣である岡崎トミ子参議院議員を訪問しました。
 この訪問においては、化学物資政策の責任と役割を明らかにするために基本法を作る必要があるという立川代表の説明の後、中下事務局長から、消費者の保護のためには化学物質行政の一元化が急務であり、その一元化のためには、化学物質政策の基本を定める化学物質政策基本法や、化審法や化管法を統合した化学物質基盤法の制定が必要であるという説明がなされました。また、化学物質政策を実現する機関として、化学物質評価・調整委員会を現行の公害等調整委員会を改組することで設立するというプランの説明も行われました。
 このような説明に対して、岡崎議員は、党内においても、化学物質政策基本法の話が出ており、今は基本法の制定においてはタイミングとしてよいと思う。今後、参議院の小委員会等で取り上げたいので、互いに協力しながら基本法の制定に向けて頑張りたいという心強い言葉をいただきました。このように、次の内閣の環境大臣である岡崎議員から強い賛同を得られたことは、国民会議の今後の活動において非常に大きな力になると思いました。
 次に、参議院議員会館において、川田龍平参議院議員を訪問しました。
 国民会議は、川田議員に対して、現行のシックハウス対策等は一貫性がないことを考えると、化学物質政策の縦割り行政を統一化して、消費者の安全を考えるべきである。また、化学物質過敏症の患者救済のためには化学物質被害救済法の制定が重要である。さらに、この件は省庁の抵抗が強いことから政治主導でなければ達成できないので是非議員に頑張っていただきたいという説明をしました。
 これに対して、川田議員からは、以前、参議院の環境委員会でREACHを取り上げたことから化学物質政策基本法の問題意識はもっていた。日本の企業もEUのREACHに関わらざるを得ないので、日本としてもREACH同様の取り組みをしなければいけないと思っていた。このような基本法をよく作ってくれましたねというねぎらいの言葉をかけて頂きました。また、川田議員は、ヨーロッパという地域でREACHが実施されていることを考えると、今後日本も自国だけではなくアジア地域全体の規制を考えていかなければならないのではないかと問題提起されました。このように、川田議員からは、現行の化学物質規制への問題意識と国民会議の政策への前向きな姿勢が感じられました。
 2日目には、参議院の院内に公明党の山下栄一参議院議員を訪問しました。カネミ油症のような被害が甚大になる前に、基本法を作り化学物資の氾濫を抑えたいという国民会議からの説明に対して、山下議員からは、国民会議が提案する基本法や化学物質評価・調整委員会をどこの省庁が所管すべきかという基本法等の実現に向けた質問が発せられ、山下議員の国民会議の政策提言への前向きな姿勢を感じました。
 次に、国民会議は、参議院議員会館において、民主党の福山哲郎参議院議員を訪問しました。
 福山議員からは、本提言への賛同の言葉と共に、現在、福山議員が力をいれている生物多様性に関する基本法の取り組みが、本提言の骨子である化学物資政策基本法の制定に向けて参考になるのではないかというアドバイスを頂きました。
 その後、国民会議は、議員会館をひとまず後にして、経済産業省の照井製造産業局次長を訪問し、意見交換を行いました。
 2日目の午後からは、国民会議は、参議院議員会館において、自民党の古川俊治参議院議員を訪問しました。
 国民会議は、古川議員に対して、基本法を制定してその理念を化学物資政策全体に及ぼすこと、既存の組織を改組して化学物質政策の一元化組織を設立し化学物質政策の企画中枢を作り戦略的な国の化学物質政策を行うことという本提言の趣旨を説明しました。
 これに対して、古川議員は、特に基本法の制定については賛成であり、国民会議が提案する化学物質評価・調整委員会についても、予算等の現実を踏まえて実現すべきではないかという意見を述べられました。古川議員からは、国民会議の本提言について非常に前向きな姿勢が感じられました。
 次に、国民会議は、衆議院議員会館において社民党の阿部知子衆議院議員を訪問しました。残念ながら阿部議員は不在でしたが、阿部議員の秘書官と意見交換をしました。
 その後、国民会議は、内閣府に移動し、内閣府総合科学技術会議の環境エネルギー担当者と意見交換をしました。同会議は、技術的側面から化学物質の総合的な評価を試みており、大変有意義な議論となりました。霞ヶ関においても、国民会議と同様な問題意識をもっている組織があることに勇気づけられました。
 内閣府を後にした国民会議は、再度参議院の議員会館に戻り、公明党の加藤修一参議院議員を訪問しました。
 国民会議からの本提言の説明の後、加藤議員は、本提言と同じ分野について以前から取り組んでいるが、今はREACHという風が吹いているのを感じている。そして、基本法等の問題は、党としてやる必要があると考えているので、党内のPTで国民会議からヒアリングをしたいと述べられました。この訪問においては、化学物質政策において日本は他国の動向に左右されるのではなく独自のモデルを構築するべきではないかという立川代表の言葉が印象に残りました。
 その後、国民会議は、議員会館を後にして、環境省石塚環境保健部長を訪問し、意見交換を行い、今回のロビー活動における全日程を終了しました。
 以上の議員や省庁の訪問の外、国民会議は、市田忠義参議院議員(共産党)、川口順子参議院議員(自民党)の事務所を訪問し、今回の提言に関する書類を両議員の秘書に渡しました。
 今回の衆参国会議員及び各省庁の訪問を終えた感想としては、化学物質政策基本法に関する国民会議の諸政策は、非常に時機を得たものであり、実現可能性が高いということです。特に、国会議員の先生方の感触は、与党野党を問わず非常に良いものであり、国民会議の一員として大変心強く思いました。

 

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