ニュースレター 第40号 (2006年4月発行)
アクセサリーに高濃度の鉛含有〜鉛問題を考える〜

 金属性アクセサリーに高濃度の鉛が含有しているものがあることが、3月6日の東京都による調査報告でわかりました。調査対象になった76品目中、米国CPSC(消費者製品安全委員会)の基準(0.06%)を超えていたものは6割以上にのぼり、それらは中国、韓国及び台湾製のものでした。

鉛の毒性
 鉛中毒は古くて新しい問題であり、重金属の中では一番身近な中毒と言われています。鉛には蓄積性のある強い毒性があり、鉛中毒になると過敏性、疲労、頭痛、食欲不振、睡眠障害、抑うつ状態、貧血などの症状があらわれます。特に子供が暴露すると、知能の低下、注意障害や攻撃性、非行などの問題行動が起こり、鉛中毒になると小児の発育と低身長の原因にもなります。流産の増加や精子減少など生殖系にも影響を及ぼすことがわかっています。

鉛の用途
 鉛は、金属製アクセサリー以外にも様々なところで使用されています。国内では水道管の多くがまだ鉛製で、厚労省は取替え作業を進めています。スポーツで使われる射撃の銃弾も鉛製で、その鉛玉を飲み込んだ野鳥が鉛中毒になったり、射撃場の土壌を汚染する等の被害が出ています。ガソリンにもかつては鉛が入っていました。塗料にも鉛が含有したものがあり、クリスタルガラスには鉛が24〜28%も含まれています(詳しくは国民会議ニュースレターVol.39,p9)。

行政の動き
 厚労省は、東京都の調査報告を受けた3月8日、関係業界に対して、金属性アクセサリーの鉛含有状況の把握に努めること、外箱への表示等により消費者に情報提供することを周知徹底するよう通知を出しました。アメリカやカナダでは米国リーボックインターナショナル社が無料配布したブレスレットを4歳の小児が誤飲して鉛中毒で死亡したことにより同社に自主回収させていることが発表されたため、厚労省はリーボックジャパンに対しては同様のブレスレットの回収を要請しました。また、厚労省と経産省が連携してアクセサリー類等の製造販売に関する実態調査を始めました。

世界の動き
 しかし、世界的に見れば日本の鉛対策は十分とは言えません。アメリカは05年2月にはすでにCPSCの基準値を超えたアクセサリー全ての自主回収を行なっており、カナダでも同様の回収を進めています。
 国際的には1996年にOECD諸国が鉛削減宣言を出しています。小児の鉛暴露に関しては97年の8カ国環境大臣会議で、子供用製品中からの鉛の除去などを約束したマイアミ宣言が出されています。02年に出された各国の取り組み状況の報告によると、アメリカでは「子供の鉛中毒を2010年までになくす戦略」を実施し、カナダでは消費者製品中の鉛リスク低減戦略案を作成したとのことです。他の欧米諸国でも様々な戦略プログラムを報告しました。
 現在でも日本には家庭用品中の鉛に対する規制がありません。鉛含有製品を知らぬ間に使っていたり、子供がアクセサリーを誤飲したりなめたりして、鉛中毒になってしまう。そんなことは未然に防がねばなりません。そこで、国民会議では、家庭用品等への鉛規制を強化し、鉛のリスクを低減するよう行政に対して提言していくことになりました。みなさんも一緒に鉛規制の強化に声をあげましょう。

 

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