第8年度総会、記念フォーラム報告
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議では、毎年秋に年次総会を開催してきましたが、今回初めての企画として、2005年10月29、30日の2日間にわたって、総会記念フォーラムと銘打ち、年次総会に引き続き、最近の化学物質汚染の重大問題4テーマ:アスベスト・重金属・PCB・環境ホルモンに関する分科会・講演会を開催しました。
以下に、年次総会、分科会「重金属はどのように体内に溜まるか――人体の重金属汚染の基本を考える」、分科会「徹底検証:アスベスト対策のあり方を考える」、記念講演会「特別報告:日本初!PCB人体汚染測定報告」「記念講演:環境生殖学入門」の概要を報告します。
第8年度年次総会
年次総会は、2005年10月29日午後1時から2時まで、中野サンプラザの研修室で行われ、40名あまりの方が参加されました。
神山美智子副代表が選ばれて議長となりました。新常任幹事として中地重晴氏が選任され、紹介されました。
中下裕子事務局長から、第7年度の活動報告と第8年度の活動方針(本誌2頁)についての説明があり、承認されました。
食品プロジェクト、子どもプロジェクト、アスベストチームの各座長から、それぞれ報告と参加の呼びかけがありました。内容は下記の通りです。
次いで、菊地美穂事務局次長から、第7年度の会計報告と会費納入・寄付・ブックレット販売促進の要請があり(本誌14頁)、報告は承認されました。
会場からは、各プロジェクトの具体的な内容についての質問や意見も相次ぎ、関心や知識のある会員の方には今後ぜひ積極的に各プロジェクトの活動に加わられたいというまとめの後、立川涼代表からのご挨拶で総会は終了しました。参加者諸氏は「アスベスト対策も重金属汚染もどちらも聞きたいところですが……」と迷いながら、ほぼ半々に2つの分科会に分かれていきました。
1.食品プロジェクト(森脇靖子座長)
本年は食品の重金属汚染を取り上げることになり、データ収集、学習会などを重ねています。いずれはブックレットを作成する予定です。これまで主に食品中のカドミウムについて検討し、「食の安全・監視市民委員会」と共催で小野寺春吉講師(元東京都健康安全センター)の「日本の米は大丈夫?−米のカドミウム汚染」学習会を開催したり、日本生活協同組合連合会・安全政策推進室の原英二氏に「カドミウム問題に関する日本生協連の取り組み」のお話をうかがったりしてきました。コーデックス委員会で審議中の米の基準値の意味は重大です。日本人は米を主食とするアジアの中でも特にカドミウムに汚染されており、規制が必要であるにもかかわらず、米をあまり食べないEUでさえ0.2ppmを主張しているのに、日本の側が0.4ppmを主張して圧力をかけているのが現実です。
2.子どもプロジェクト(粟谷しのぶ座長)
国民会議では、2003年に「子ども環境保健法(仮称)」の制定を目指す立法提言をして、ロビー活動をしてきましたが、さらに広く子どもの健康をめぐるさまざまな問題に取り組んでいくため、新たにプロジェクトを立ち上げました。子どもの健康をめぐる状況は深刻ですが、政府の取り組みはほとんど見られません。食育などごく限られた分野のみです。環境教育(まず親に向けての傾向と対策を考えるべきかもしれません)、LD・ADHDなどの発達障害(母親の体内の有害物質との関係等)を初め、これから幅広く勉強会を重ねた上で、いずれ新たな「子ども基本法(仮称)」を作成していきたいと考えています。まだ新しいプロジェクトです。子どもに関する各分野のご専門の方、子どもにご関心のある方はぜひご参加ください。
3.アスベストチーム(中地重晴座長)
アスベストの吹付けについては70年代に禁止されたところですが、その後も縦割り省庁ごとの極めて不十分な対策しかなされなかったため、近年になってアスベスト由来の悪性中皮腫による死亡者が増えており、これから年間4000人、全部で10万人くらい亡くなるのではないかと言われております。水俣を超える規模の有害物質による死亡被害であり、今後の被害拡大防止のためにも公害問題としてきちんと取り上げなければいけません。政府の対策は被害救済に限って新法を作り、その他は従来どおりの縦割り省庁ごとの個別対策に過ぎず、今後の被害拡大防止に重要な使用中のアスベスト対策がほとんど示されていないなど、極めて不十分なものです。そこで、石綿対策全国連絡会議、中皮腫・じん肺・アスベストセンター、患者の会等のNGOの方々のご協力を得て、急遽、政策提言のチームを編成、「アスベスト対策基本法(仮称)」の立法提言を作成し、9月21日に内閣総理大臣・厚生労働大臣・環境大臣宛に提出してきました。次期の通常国会で新法案が提出される予定なので、少しでも良いものになるよう、今後も働きかけをしていきたいと考えています。
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